公表の概要
警察庁は、令和8年(2026年)1月〜9月末時点の特殊詐欺の認知・検挙状況(暫定値)を統計ページで公表しました。当室が9月12日に紹介した7月末暫定値(前回記事)の続報です。間の8月末暫定値は2026年10月2日に公表されており、本記事で推移としてあわせて整理します。
2026年の最初の9カ月間で、特殊詐欺の認知件数は33,329件(前年同期比+3,299件・+11.0%)、被害額は2,610.4億円(同+483.9億円・+22.8%)となりました。
手口別の内訳(令和8年1〜9月末・暫定値)
| 手口 | 認知件数 | 被害額 | 被害額 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 特殊詐欺(全体) | 33,329件 | 2,610.4億円 | +483.9億円(+22.8%) |
| SNS型投資詐欺 | 7,580件 | 991.0億円 | +212.2億円(+27.2%) |
| ニセ警察詐欺 | 7,334件 | 842.8億円 | +171.9億円(+25.6%) |
| SNS型ロマンス詐欺 | 4,005件 | 366.5億円 | −8.9億円(−2.4%) |
| オレオレ詐欺 | 3,143件 | 116.0億円 | +16.4億円(+16.5%) |
| 架空料金請求詐欺 | 4,718件 | 107.9億円 | +12.1億円(+12.6%) |
| 金融商品詐欺(未公開株・社債等) | 342件 | 32.6億円 | +19.0億円(+138.7%) |
被害額が最も大きいのは引き続きSNS型投資詐欺で、991.0億円は特殊詐欺全体の約38%を占めます(当室による単純計算)。次いでニセ警察詐欺が842.8億円です。SNS型ロマンス詐欺は被害額が前年同期を下回りました(−2.4%)。件数は小さいものの、未公開株・社債などの金融商品詐欺は被害額が前年同期の2倍超(+138.7%)に増えています。
7月末から9月末までの推移
| 指標 | 7月末 | 8月末 | 9月末 |
|---|---|---|---|
| 特殊詐欺 被害額(全体) | 2,108.1億円 | 2,360.7億円 | 2,610.4億円 |
| SNS型投資詐欺 被害額 | 881.2億円 | 937.4億円 | 991.0億円 |
| SNS型投資詐欺 認知件数 | 6,566件 | 7,097件 | 7,580件 |
| SNS型投資詐欺 被害額の前年同期比 | +88.6% | +53.8% | +27.2% |
累計値の差から計算すると、SNS型投資詐欺の被害額は8月に約56億円、9月に約54億円増えました(当室による単純計算)。5月末から7月末の2カ月間の増加(約181億円、1カ月あたり約90億円)と比べると、月ごとの増え方は小さくなっています。前年同期比の伸び率も+88.6%から+27.2%まで縮小しました。ただし、これは前年(令和7年)の被害が年後半に急増していたことの影響も含んでおり、1カ月あたり50億円を超える被害が続いている状況に変わりはありません。累計は1,000億円目前の水準です。
検挙状況
| 手口 | 検挙件数 | 検挙人員 |
|---|---|---|
| 特殊詐欺(全体) | 6,101件(+24.0%) | 2,193人(+25.3%) |
| SNS型投資詐欺 | 732件(+381.6%) | 320人(+344.4%) |
| SNS型ロマンス詐欺 | 234件(+27.2%) | 129人(+10.3%) |
SNS型投資詐欺の検挙件数は732件で、前年同期(152件)の約4.8倍になりました(前年同期の件数と倍率は当室による単純計算)。なお警察庁の資料の注記によると、令和8年の検挙件数・検挙人員には特殊詐欺に由来する犯罪収益の組織的犯罪処罰法違反が含まれる一方、令和7年のSNS型投資・ロマンス詐欺以外の手口の数値には同法違反が含まれていません。前年同期との比較には集計範囲の違いが含まれる点に注意が必要です。
投資詐欺から身を守るために(当室からの定型注意)
✓ SNSで知り合った人の「投資話」は全て詐欺と判断する
実在の著名人でも偽アカウントの可能性が高いです。必ず公式ウェブサイトから情報を確認してください。
✓ 金融庁の登録済み業者リストで必ず確認
金融庁HP「登録金融機関・仲介者検索」、または当サイトの業者チェッカーで業者名と登録番号の両方を確認してください。登録されていない業者は全て違法です。
✓ 出金時の追加送金要求は詐欺の確定シグナル
「利益を受け取るには税金が必要」「手数料を先払いしてください」は全て詐欺です。正規の投資商品でこのような要求はありません。
相談窓口
- 消費者ホットライン:188(24時間)
- 警察相談専用:#9110(24時間)
- 金融庁相談室:0570-016811(平日10〜17時)
- 証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC):0120-64-5005
📚 出典・参考情報
出典: 警察庁「特殊詐欺の認知・検挙状況等について」(令和8年9月末・暫定値)
警察庁「令和8年9月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」広報資料(PDF) — 本記事の9月末数値の出典 ↗
警察庁「特殊詐欺の認知・検挙状況等について」(統計ページ) ↗
警察庁 SOS47「令和8年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」(2026年10月2日掲載) — 8月末数値の出典 ↗
本記事の統計数値はすべて上記警察庁公表資料の暫定値です。「当室による単純計算」と付した比率・差額は当室が公表値から算出したもので、警察庁の公表値ではありません。暫定値は今後の確定値公表に伴い変動します。9月末の広報資料の公表日は警察庁のページ上に記載がなく、未確認です(当室は2026年11月5日に掲載を確認)。上記の警察庁広報資料(PDF)は毎月同じURLで最新版に差し替えられるため、閲覧時期によっては本記事の9月末数値と異なる内容が表示されます。