本ページの事例について:本ページの事例は、典型的な相談内容を個人が特定されない形で一般化した想定例です。実在の特定の相談者のお話ではありません。金額の水準感は警察庁等の公的統計に基づく一般的な記述です。

「これは詐欺なのだろうか」と迷っている段階で相談に来られる方の状況には、はっきりした型があります。警察庁の統計では、2026年1〜5月だけでSNS型投資詐欺の被害は5,099件・700.4億円、1件あたりの平均被害額は約1,374万円(単純計算)に達しています(令和8年5月末暫定値の解説)。以下の7パターンのどれかに近いと感じたら、送金する前に読み進めてください。

パターン 1

SNS・マッチングアプリで知り合った相手に投資を勧められている

危険度:高
よくある状況
SNSやマッチングアプリで知り合い、数週間〜数カ月やり取りを続けて親しくなった相手から「一緒に資産を増やそう」と投資サイトやアプリを紹介される。最初の少額投資では利益が出て、出金もできた。
危険度の考え方
面識のない相手がオンラインで投資に誘う時点で、詐欺の可能性が極めて高い状況です。「最初は出金できる」のは信用させて投資額を吊り上げるための典型的な演出で、国際的に「ピッグブッチャリング(豚を太らせてから屠る)」と呼ばれる手口です。紹介されたアプリ・サイトは正規の取引所ではなく、画面上の残高は数字の表示にすぎないことがほとんどです。
取るべき初動
追加入金を止める。相手に相談内容を伝えない。紹介された「業者」を金融庁登録業者チェッカーで確認する(登録が確認できなければ応じない)。やり取りの記録を保存する。
パターン 2

利益を出金しようとしたら「税金・手数料」を請求された

危険度:高
よくある状況
投資アプリ上では利益が出ている。出金を申請したところ「先に税金の納付が必要」「セキュリティ解除費用がかかる」「保証金を入れれば全額出金できる」と追加の支払いを求められた。
危険度の考え方
この時点で詐欺と考えるべき状況です。正規の投資で、出金の条件として運営会社に税金を前払いする仕組みは存在しません(税金は原則、利益確定後に自分で申告・納付するものです)。「払えば出金できる」は、被害者から最後まで搾り取るための最終段階の手口で、支払っても出金されず、さらに別名目の請求が続きます。
取るべき初動
それ以上の支払いを一切止める。画面・やり取り・振込記録を保存する。#9110(警察相談専用電話)に相談し、振込先の金融機関に口座凍結を依頼する。詳しい手順は返金・被害回復ガイドへ。
パターン 3

著名人の広告・動画からLINEの「投資グループ」に誘導された

危険度:高
よくある状況
SNSや動画サイトで著名な経済評論家・投資家・経営者が投資を勧める広告を見て、LINEグループや「アシスタント」に誘導された。グループ内では他の参加者が次々と利益報告をしている。
危険度の考え方
著名人をかたる投資広告のほとんどは本人に無断のなりすましで、近年はAIで生成した偽動画(ディープフェイク)も使われています。実在の著名人が広告経由でLINEグループへ勧誘し、個別に売買指示を出すことは通常ありません。グループ内の「利益報告」はサクラである可能性が高いと考えてください。
取るべき初動
入金しない。グループ内で入金の意思を見せない。勧められた業者を金融庁登録業者チェッカーで確認する。本人の公式サイト・公式SNSに当該広告の告知があるか確認する(なりすまし注意喚起が出ていることも多い)。
パターン 4

業者名を検索したら「詐欺ではありません」と出てきた

危険度:中〜高
よくある状況
勧誘されている業者が怪しいと思い、送金前に業者名で検索した。すると「◯◯は詐欺ではありません」「信頼できます」という検索結果やAI要約が表示されたので、安心してよいか迷っている。
危険度の考え方
その検索結果自体が作られたものである可能性があります。詐欺グループが企業・官公庁サイトの検索機能を悪用して肯定的な文言を検索結果に表示させる「サイト内検索スパム」という手口が、警視庁の注意喚起(2026年7月)で確認されています。慎重に下調べをする人ほど狙われる手口です。評判の検索結果は信用の根拠になりません。
取るべき初動
検索結果ではなく金融庁の登録の有無で判断する。金融庁登録業者チェッカーで業者名を検索し、登録番号を名乗られた場合は番号から業者名を逆引きして一致を確認する。
パターン 5

家族がSNSの投資話にのめり込んでいて、話を聞いてくれない

危険度:高(被害拡大中の可能性)
よくある状況
親や配偶者がSNSで知った投資に繰り返し送金している。「必ず増える」「もうすぐ出金できる」と信じ込んでおり、家族が「詐欺では」と言っても聞く耳を持たない。相手から口止めされている様子もある。
危険度の考え方
本人が信じ込んでいる段階は、被害が現在進行形で拡大している可能性が高い危険な局面です。頭ごなしの否定は本人を意固地にさせ、家族に隠れて送金を続ける事態を招きがちです。詐欺グループは「家族には内緒に」と指示して孤立させる手口を常用します。
取るべき初動
目標を「説得」ではなく「次の送金を遅らせること」に置く。「私も心配だから一緒に確認だけしてほしい」と、金融庁登録の有無・出金できるかの確認など客観的事実の確認に持ち込む。家族からの相談も188(消費者ホットライン)や#9110で受け付けています。本人が家族の言葉を聞かない場合、利害関係のない第三者による判定を挟むのも有効です。
パターン 6

被害の後に「被害金を取り戻せる」という連絡が来た

危険度:高(二次被害)
よくある状況
投資詐欺の被害に遭った後、「あなたの被害金を回収した」「当社なら取り戻せる」という連絡が届いた。着手金や手数料を払えば返金手続きを進めると言われている。
危険度の考え方
被害者を狙い撃ちにする被害回復詐欺(二次被害)の典型です。証券取引等監視委員会は、被害者名簿が詐欺グループ間で売買されていると指摘しており、米司法省が2026年7月に申し立てた暗号資産詐欺の没収5件のうち1件も、この被害回復詐欺の資金でした(ニュース解説)。①向こうから連絡してくる、②先払いの費用を求める、③弁護士資格の確認に応じない — いずれかに当てはまれば応じてはいけません。
取るべき初動
支払わない。返金交渉・訴訟の代理は弁護士の業務なので、被害回復の相談は法テラス(0570-078374)または弁護士へ。正規の回復手段(口座凍結・被害回復分配金など)は返金・被害回復ガイドにまとめています。
パターン 7

電話・DMで未公開株・社債・高配当ファンドを勧誘された

危険度:中〜高
よくある状況
「上場予定の未公開株」「年利◯%保証の社債・ファンド」を電話やDMで勧誘された。パンフレットやウェブサイトは立派で、登録番号を名乗ることもある。「あなただけ」「今日まで」と決断を急かされている。
危険度の考え方
日本で投資商品の販売・勧誘を行うには金融商品取引業の登録が必要です。無登録業者による未公開株・社債の勧誘は、それ自体が違法であり詐欺を疑うべき状況です。また預金等を除き「元本保証」の投資商品は販売できないため、「元本保証で高利回り」は登録の有無に関係なく危険信号です。実在業者の登録番号をかたる手口もあるため、番号だけで安心しないでください。警察庁統計でも金融商品詐欺(未公開株・社債等)は2026年1〜5月で前年同期比2.5倍に増えています。
取るべき初動
その場で契約・入金しない。金融庁登録業者チェッカーで業者名と登録番号の一致を確認する。判断に迷う場合は金融庁 金融サービス利用者相談室(0570-016811)FINMAC(0120-64-5005)に相談する。

どのパターンにも共通する3つの原則

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