何が起きているのか
警視庁は2026年7月17日、詐欺グループが検索結果を操作して自らの信用を装う手口について注意喚起しました。業者名を検索したときに「◯◯は詐欺ではありません」「信頼できます」といった肯定的な文言が表示される状態が、意図的に作り出されていたというものです。
この手口が狙っているのは、勧誘を受けてすぐに送金してしまう人ではありません。送金する前にインターネットで業者名を検索し、自分で裏を取ろうとする慎重な人です。「検索したら問題ないと書かれていたので信用した」という経路で被害が広がります。
仕組み — 企業・官公庁サイトの検索機能を踏み台にする
多くのウェブサイトには「サイト内検索」の機能があり、検索した語句がそのままURLに含まれる作りになっているものがあります。詐欺グループはこの仕組みを悪用します。
- 企業や官公庁のサイト内検索に「◯◯は詐欺ではありません」「◯◯は信頼できます」といった文字列を大量に検索させる
- その結果、検索した文字列を含むURLが大量に生成される
- 検索エンジンがそれらのURLを収集する
- 検索結果やAIによる要約に、肯定的な文言が表示される
実際の詐欺事件で使われた「高リターン創出計画」という名称を検索すると、「高リターン創出計画は詐欺ではありません」と表示される状態が確認されています。警察はこの技法を「サイト内検索スパム」と呼んでおり、詐欺グループがこの作業を業者に発注した際の中国語の広告も確認されています。組織的に外注されているということです。
なぜ見抜きにくいのか
- 踏み台にされているのは実在の企業・官公庁のサイトである。URLのドメイン自体は正規のものなので、ドメインを見ても偽物とは判断できない
- AIによる検索結果の要約は、その出典が誰によって作られたかを判定しない。表示された文章が自然な日本語であるほど信用してしまう
- 「詐欺」という言葉と業者名を並べて検索する行為そのものが、詐欺グループに予測されている
警視庁は、肯定的な内容が表示されても注意が必要だと呼びかけています。
では、どう確認すればよいのか
✓ 検索結果ではなく「登録の有無」を確認する
日本で投資商品の販売・勧誘を行うには金融商品取引業の登録が必要です。金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者一覧で、業者名と登録番号の両方が一致するかを確認してください。評判の検索結果は根拠になりません。
✓ 登録番号を名乗られたら、番号から業者名を逆に引く
実在する登録業者の番号を騙る手口が実際に確認されています。番号だけでなく、その番号に紐づく業者名が勧誘してきた業者と一致しているかを確認してください。
✓ 当サイトの業者チェッカーを使う
金融庁登録業者チェッカーで業者名を検索できます。登録が確認できない業者からの勧誘は、その時点で応じてはいけません。
✓ 「元本保証」「確定利回り」「出金時の追加入金」は登録の有無に関係なく詐欺の兆候
預金等を除き元本を保証する投資商品は日本では販売できません。また、利益を出金する段階で税金・手数料・セキュリティ解除費用などの追加支払いを求められた場合、それ以上支払っても資金は戻りません。
相談窓口
- 消費者ホットライン:188(24時間)
- 警察相談専用:#9110(24時間)
- 金融庁相談室:0570-016811(平日10〜17時)
- 証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC):0120-64-5005
📚 出典・参考情報
- 日本経済新聞(2026年7月19日)— 検索結果の汚染による投資詐欺の手口:手口の詳細・実例・警察の呼称の出典
- 金融庁 免許・許可・登録等を受けている業者一覧
- 金融庁 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について
警視庁の注意喚起は2026年7月17日付です。手口の詳細な記述は日本経済新聞(同年7月19日)に依拠しています。朝日新聞も同日に同旨を報じています。