時間との勝負 — 気づいたらすぐ動く

投資詐欺の被害金は、時間が経つほど回収が難しくなります。詐欺グループは入金された資金をすぐに他の口座や暗号資産へ移すためです。「まだ詐欺と確定したわけではないから」とためらっている間にも資金は移動します。疑いを持った時点で、確定を待たずに以下の順で動いてください。

ステップ1 — 追加の送金をすぐ止める

まず、これ以上の被害を止めます。「税金を払えば出金できる」「手数料を払えば解約できる」という追加入金の要求には絶対に応じないでください。支払っても出金されることはありません。振込先の口座がわかっている場合は、自分が利用している銀行と振込先の銀行に連絡し、事情を伝えてください。振り込め詐欺救済法に基づき、詐欺に使われた口座は凍結できる場合があり、凍結口座に資金が残っていれば被害回復分配金を受け取れる可能性があります。口座凍結は早いほど有効です。

ステップ2 — 証拠を保全する

相手とのやり取りをすべて保存します。感情的にアプリを消したりブロックしたりすると、被害届や法的手続きに必要な証拠が失われます。

ステップ3 — 警察に相談・被害届を出す

最寄りの警察署、または警察相談専用電話 #9110 に連絡してください。緊急の場合は110番です。被害届の提出は、口座凍結や捜査の起点になるだけでなく、後の法的手続きでも重要になります。ステップ2で保全した証拠を持参するとやり取りがスムーズです。

ステップ4 — 消費生活センターに相談する

消費者ホットライン 188(いやや)に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。状況に応じた対処方法の助言を無料で受けられます。金融庁の金融サービス利用者相談室(0570-016811)、証券関係のトラブルであればFINMAC(0120-64-5005)も利用できます。

ステップ5 — 弁護士・法テラスに相談する

返金請求・口座凍結後の分配手続き・加害者への法的措置は、詐欺被害に詳しい弁護士に相談するのが確実です。費用が心配な場合は法テラス(0570-078374)で、収入等の条件を満たせば無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できます。

⚠ 「被害金を取り戻せます」という勧誘に注意

被害後には「被害回復を支援する」と名乗る二次被害の勧誘が来ることがあります。着手金・供託金などの前払いを求める相手には応じず、必ず公的窓口か弁護士会経由で相談先を探してください。詳しくは劇場型詐欺(二次被害型)の解説を参照してください。

家族の被害に気づいたら

被害者本人は「まだ詐欺と決まったわけではない」「もう少しで出金できる」と信じている段階が長く、家族の指摘に反発することが少なくありません。頭ごなしに「騙されている」と断じると、かえって相手(詐欺グループ)との関係を強めてしまうことがあります。本人を責めずに、「一緒に業者の登録を確認してみよう」「188に一度だけ電話してみよう」と、確認という形で公的窓口につなぐのが現実的です。追加送金の兆候(借入の相談、定期預金の解約など)が見えたら、金融機関への相談も検討してください。

回収の見込みについて正直に

実際のところ、投資詐欺の被害金が全額戻るケースは多くありません。だからこそ、動くのが早いほど凍結・回収の可能性は高まりますし、これ以上の被害を止めることには確実な意味があります。一人で抱え込まず、公的窓口と専門家を頼ってください。

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